FMC Asia 2018 思考過程

先日FMC Asia 2018が開催されましたね。今回はFMC Asiaで僕がどのように考えて回答を出すに至ったかを1つずつ説明したいと思います。

1試技目

スクランブル:R’ U’ F L2 B2 R2 D2 U’ B2 D’ L’ U R2 D2 L U F U’ B2 U L U2 R’ U’ F
インバース:F’ U R U2 L’ U’ B2 U F’ U’ L’ D2 R2 U’ L D B2 U D2 R2 B2 L2 F’ U R

このスクランブルはペアが4つもあり、とても簡単なスクランブルのように思えました。ペアを生かすことを最優先で考えるため、EOスタートは使わずブロックビルディングのみで解こうと決めました。
まずノーマルでF U’ F’ U Lで222+3ペア。そこからF’ U2 F or U2 F R F’ or U2 F R2 F’と考えましたが、premoveが嫌いなのでそれは使わず222からインバースにスイッチしました。するとR2 B U B2で221ができ、R’でさらに221と2ペアができました。そこからB R’ U Bでpremove:Bの15手F2L完成となりました。ただ、LLのエッジの位置からして短いエッジ合わせができないパターンのため、このルートはあきらめました。
次にインバースを見ると、R2 B U B2 R2で222。ここで最後のR2をR’とするとさらに221+ペアができるので、それを生かしR2 B U B2 R’からB’ R’ U’ B U2 Bで11手F2L-1、さらにU L’ U’で14手F2L完成。最後に6手OLLを回してB D L D’ L’ B’ Lで21手L3Cとなり、とりあえずバックアップとして置いていきました。
次にインバースで先ほどのR2 B U B2からF U’ F’ U Lで別の222を作り、R’ B’ R’ U’ Bでpremove:Bの15手F2L完成。しかしこれもエッジの位置が悪く不採用。
続いてインバースのR2 B U B2 R’をノーマルにスイッチし、F U’ F’ Uすると221が3つとペアができます。そこからB2 R B Lで13手F2L-1、もしくはB’ L B’ R Bで14手F2L-1。ペアが2つあるのでよさげでしたが、どちらもL3Cにすることはできなく断念。
ここで40分強が経過していたので、早めにバックアップのインサートをしておこうと思い、21手L3Cのインサートを行いました。結果は2手キャンセルの27手。しかしこのスクランブルならもっと短くできるはず!と思い、インサート後もスケルトン探索を行いました。
インバースに戻り、R2 B U B2からのR’ B’ R’ U’ B2でF2L-2+2ペアはすでに見つけていましたが、R’ [L’] B’ R’ U’ B2とシングルインサートをするとF2L-1エッジとなることに気づきました。ここからL’ F U F’でF2L-1とEOを揃え、L2 U’ L2 U L’で19手L3Cとなりました。ここで残り8分だったため、急いでインサートを行い2手キャンセルを見つけて25手、これを最終回答としました。実はインサートの途中で時間が無くなり最後まで探せてなかったのですが、後で調べたところoptimalだったのでホッとしました。

Solution:
(R2 B U B2) // 221
(R’ L’ B’ R’ U’ B2) // F2L-1edge
(L’ F U’ F’) // F2L-1
(L2 U’ L2 U L’) // L3C

sk:L U’ L2 U L2 F U F’ L B2 U % R B L R B2 U’ B’ R2
%:[B2 R F’ R’ B2 R F R’]

ほかの参加者の記録を見ると、22手が2人、23手が4人とやはり簡単なスクランブルだったようでした。

2試技目

スクランブル:R’ U’ F D B2 U2 L2 D2 R2 D B2 F U F2 U R D2 B’ R’ F’ U L B R’ U’ F
インバース:F’ U R B’ L’ U’ F R B D2 R’ U’ F2 U’ F’ B2 D’ R2 D2 L2 U2 B2 D’ F’ U R

まず始めに既にあるペアを生かしU2 L2 F2 D2で4手222。そこからペアを生かしてU F2 L F L、もしくはF’ U2 L U’ Fで223。しかしどちらも微妙だったので早々に切り上げてEOスタートに切り替えました。
F-B軸EOは4EO、R-L軸EOは6EOでU-D軸EOは探していません。R-L軸EOは5手かかるので、4手でできるF-B軸EOを採用。F-B軸EOの解は以下の6つ。
EO: U’ D R F or F’, D R U’ F or F’, F2 D L F or F’
またインバースのEOについても先に探しました。インバースもF-B軸EOのみを採用。インバースのEOは以下の通り。
inverse EO: D U’ L F or F’, R2 D’ L’ B or B’, D’ L’ R2 B or B’
これらを1つずつ順番にやっていきます。
まずノーマルのEO:U’ D R F。ここからL F2 L2とすると123ができ、さらにB2 U’ L U2で223。ただここからつながらなかったので不採用。
次にノーマルのEO:D R U’ F。L D R2 F2でやはり123ができ、L’ U2で223。しかしペアはあるがつながらなかったため、123後をL D L2 U2と変えて223+221を作ったがやはり続かないので不採用。
続いてインバースのEO:D U’ L F’。ペアが2つあるので良さそう。 D L2で221、F2 U’ Rで123、U R’ U2で223。ここからD’ L’で簡単にF2L-1が作れ、D2 L’ D2 L D2 L’ D’ L D2でペアを保存しつつ23手L3C。これをバックアップにしました。
ここで先ほどの223からノーマルにスイッチすると、D L’ D2 Lで221、D2 L’ D L D’ L Dで先ほどと手数の同じ23手L3Cになりました。時間があったのでこれら2つのスケルトンを両方インサートすると、前者が2手キャンセル29手、後者のノーマルにスイッチしたほうが3手キャンセル28手だったので後者を採用し、これを最終回答としました。

Solution:
(D U’ L F’) // EO
(D L2 F2 U’ R) // 123
(U R’ U2) // 223
D L’ D2 L // more 221
D2 L’ D L D’ L D // L3C

sk:D L’ D2 L D2 L’ D L D’ L D U2 R % U’ R’ U F2 L2 D’ F L’ U D’
%:[R2 U’ L2 U R2 U’ L2 U]

このスクランブルは本当に難しかったです。223+EOは10~12手でできるのですが、そこから続かない・・・。ほかの国の人の手数もよくて26手だったため、まあ健闘したかなという感じです。

3試技目

スクランブル:R’ U’ F D2 F2 U2 B D2 R2 D2 U2 B F R’ D B F D2 F’ U B D2 R’ B2 R’ U’ F
インバース:F’ U R B2 R D2 B’ U’ F D2 F’ B’ D’ R F’ B’ U2 D2 R2 D2 B’ U2 F2 D2 F’ U R

まずブロックビルディングで始めようとしましたが何も見つからなかったのですぐにEOスタートに切り替えました。
F-B軸EOを調べると、なんと3手![F or F’] D [B or B’]でEOができました。続いてR-L軸EOを探すとF’ [R or R’]のなんと2手!これはEOスタートやるっきゃない、と思い1つずつ探していきました。
まずEO:F D B。U D L Dでpremove:F2の222を発見。ここでEOのF D BをF D B’にしても同じ222ができると気づき、F D B’ U D L D(premove:F2)をしてみるとペアが2つできています。ここからL2 B2 L2 B2でF2L-2を作り、L’ U L2 U’ Lで17手L5Cを得ました。これをバックアップとしておきます。
この222には可能性を感じ、222からインバースにスイッチしてみました。すると、F2で222を作った後、B2 L2 B2でF2L-2、L’ U L2 U’ L’で16手L4Cとなりました。ここでURFコーナーを見ると赤黄青コーナーが入っています。これ、F2L-2を作った後R2した状態で同じようにL’ U L2 U’ L’としR2で戻すとダブルキーホールで先ほどのコーナーが揃い、18手L3Cとなりました!まだ時間はありますが、これ以上のスケルトンが見つかる可能性は低いと思ったので早めにインサートを始めました。2手キャンセルでmeanNRタイ、3手キャンセル以上でNR更新です。結果は・・・・・1手キャンセル25手。人生甘くない。
その後、ほかのEOについても探しました。まずEO:F’ D B。ここからR Uで222、D’ R’ B2 R B2で223ですがその後パリティの闇に飲まれて断念。
続いてEO:F’ D B’。これも先ほどと同じくR Uで222。ノーマルは続かなかったので222からインバースに切り替えて、D’ R’ L’ D L Rで223+221。ペアはあるが何も続かず断念。
続いてR-L軸EOの2手EO、F’ R。ノーマルでは何もなかったのでEOからインバースにスイッチすると、D B’ U’ Bで222とさらに221もできました。そこからF’ U’ FでF2L-2+ペア、R2 D R2 D’でF2L-1、U R2 U’でエッジを入れてF’ U2 B U B’ U F R2でごり押し22手L3C。さすがにこれで24手以下は出せないのでインサートはしません。
続いて先ほどのインバースの222:D B’ U’ Bをノーマルにスイッチしました。そこからF’ R2 U’ F’ U F2でF2L-1、しかし最後が続かず断念。
ここで時間が来てしまい、最初に見つけた25手を最終回答として提出しました。

Solution:
F D B’ // EO
U D L D (F2) // 222
(B2 L2 B2) // F2L-2
(R2 L’ U L2 U’ L’ R2) // L3C

sk:F D B’ U % D L D R2 L U L2 U’ L R2 B2 L2 B2 F2
%:[U2 F D2 F’ U2 F D2 F’]

このスクランブルはEOが神がかってましたね。222+EOが5手でできたときは驚きました。ただ最後の詰めがどうしてもうまくいかずNR更新とはなりませんでした。やっぱりFMCは難しい。